杉田祐一 世界トップ10初撃破!2時間半の熱戦に攻め勝ち全豪初勝利
「男子テニス・全豪OP」(15日、メルボルン)
開幕し、男子シングルス1回戦で世界ランキング41位の杉田祐一(29)=三菱電機=は同9位で第8シードのジャック・ソック(25)=米国=を6-1、7-6、5-7、6-3で破る番狂わせを演じ、初の2回戦進出を決めた。昨年3月に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂した世界168位の西岡良仁(22)=ミキハウス=は第27シードのフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)に6-3、2-6、6-0、1-6、6-2で勝ち、2年連続で初戦突破。2回戦で杉田は世界89位のイボ・カロビッチ(クロアチア)、西岡は世界76位のアンドレアス・セッピ(イタリア)と対戦。ともに勝てば3回戦で激突する。
約2時間半に及んだ熱戦を制すと、杉田はコートに膝を突いて絶叫した。世界ランキング9位の第8シード・ソックに気後れすることなく、昨年8月のツアー大会で勝った自信を胸に挑み、見事に撃破。「一番相性のいい相手で、向こうの方がやりづらいと思っていた。自分のテニスを貫き通せた」。初めてトップ10選手を倒した29歳は、澄み切った笑みを浮かべた。
初対戦だった昨年8月のウエスタン・アンド・サザンオープンではストレート勝ち。その記憶をたどりつつ立ち上がりから果敢に攻め、第1セットを先取。第2セットももつれ込んだタイブレークで0-3の劣勢からギアを上げて7-4で奪い、勢いに乗った。「絶対に取りたかった。第2セットが全てを左右した」とうなずいた。
脚の付け根を気にし、大事な場面で守備的になったソックとは対照的に、杉田は要所でミスを恐れずに強打。ノータッチで決めたウイナーの数で杉田は53本もマークし、ソックの30本をはるかに上回った攻めの姿勢が番狂わせにつながった。
全豪では初勝利。四大大会では昨年のウィンブルドン選手権から3大会連続で初戦突破となった。「(次戦も)粘り強く、集中力を維持しながらいいテニスをしたい」。右手首故障の錦織が不在の日本男子を引っ張る男は、ツアー初優勝を飾った昨年よりも一段と頼もしさを増している。