青学大・原監督、カヌー薬物混入問題ぶった切り「論外」

 今年の箱根駅伝で総合4連覇を達成した青学大の原晋監督(50)が16日、都内で取材に応じ、昨年のカヌー日本選手権で起きた薬物混入問題について「端的に言うと、論外」とぶった切った。

 日本スポーツ史に残る大不祥事に、大学駅伝界の名将は残念そうに口を開いた。

 「日本人は真面目さや勤勉さが世界に誇れるものではないの?」。

 今回の件は個人や一競技の問題にとどまらない。指揮官が懸念するのは国際社会におけるにおける“日本ブランド”の失墜だ。「外交とか経済協力とかもあるけど、日本の良さは真面目さ。資源国ではないわけだから。日本が世界から信用されてるのは、先人たちが築き上げてきたものがあるから。それを真っ向から否定する行為。それは残念」と腕組みをした。

 今回の愚行については糾弾しながらも、「指導者たちが勝利至上主義の一辺倒だったのかなと、そうなら彼(加害者)もかわいそうなのでは」と、スポーツ教育現場における問題点も指摘した。

 「推測だが、彼の生きる土台が競技にあったのかなと。その土台が崩れたら、ああいう行為に走るのかも。社会があって競技がある、というメカニズムに変えていかないといけないと、これからもこういう事件は起こりうる。これは指導者としても、そういうことを起こさないように問われる。まずは社会の構成員であるという土台をつくらないといけない」と、指導者の立場から持論を唱えた。

 指揮官は昨年4月に早大大学院に入学。学生の指導を行う傍ら、スポーツビジネス論のゼミで研究し、今月12日には修士論文を提出したばかりだ。自ら学び、発信し、社会の中でスポーツのあり方を常日頃考えるからこそ、今回カヌーで起こった薬物混入問題についても言葉を濁さなかった。

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