稀勢の里 5場所連続休場ピンチ 得意の左差したのに…豪快に転がされ3敗目
「大相撲初場所・4日目」(17日、両国国技館)
横綱稀勢の里は、平幕琴奨菊との史上最多を更新する66度目の対戦(不戦含む)で突き落とされ、2日連続で金星を配給し、3敗目を喫した。左上腕部、腰部、左足首などの負傷で4場所連続休場から再起を目指しながら、早くも休場危機に追い込まれた。横綱白鵬は嘉風にはたき込まれ、自身初めて2日連続で金星を配給し2敗目。左足の古傷を再発させ、休場のピンチに陥った。進退がかかる横綱鶴竜は、平幕の逸ノ城を寄り切って4連勝。全勝は鶴竜、大関豪栄道、関脇御嶽海、平幕の栃ノ心、朝乃山の5人となった。
左膝をついたまま立ち上がれない。稀勢の里が、なすすべもなく惨敗を喫した。土俵下でも下を向き、ぼう然。ショックをあらわにした。
入門以来、出世を争ったライバルと幕内最多66回目の対戦で36敗目。手の内を知り尽くす琴奨菊を相手に、立ち合いで左を差し組み合った。しかし、力負けして、下から攻め上げられ棒立ち。最後は土俵に背中から突き落とされ、ゴロリと一回転させられた。
前日の逸ノ城に続き、防戦一方の連敗だ。2日連続、自身通算11個目の金星配給。先場所は5つとハイペースで配給している。
支度部屋では重苦しい雰囲気。相撲勘が戻らないか?と問われ「そうですね」と答えた以外は、質問に対し「うーん」と、4連発でうめき声を上げるのみだった。
土俵下で見た勝負審判長の藤島審判部副部長(元大関武双山)は「負けた後の相撲は横綱に限らずいろんなことを考えがち。横綱は地位もあるし、休み明けもあるのでは」と、精神面での立て直しの難しさを指摘した。
「いい修行。いい経験」と、故障続きの昨年を糧に今場所は再起へ並々ならぬ決意を示してきた。この日の朝稽古でも「いい状態でやっているけどね、なかなか…。ここからですね」と巻き返しへ手応えもあった。しかし、結果が出ない。
4日目までの3敗は大関時代にすらなく、小結だった09年初場所以来9年ぶりになる。先場所は5敗を喫し、10日目から途中休場した。今場所も漂う暗雲。復活優勝どころか、5場所連続休場危機に陥った。