鶴竜 無傷6連勝!琴奨菊にがぶられ後退も気迫勝ち 1人横綱「気にしない」
「大相撲初場所・6日目」(19日、両国国技館)
崖っぷちに立たされて、なお強さを発揮する。進退をかけて土俵に上がっている鶴竜が、気迫あふれる相撲で琴奨菊を寄り切り、初日から無傷の6連勝。「ちょっと後手に回ったけど、まわしが取れていたのでね。何とか残せました」。穏やかな口調に充実感を漂わせた。
今場所は踏み込みがいい。立ち合いは頭で当たって左差し右上手。相手のがぶり寄りでいったんは後退したが、上手投げを打って土俵の真ん中で体勢を立て直す。右上手は一枚まわし。長く伸び切るのもおかまいなしに前へ攻めて寄り切った。
シャープな頭脳を持つ。琴奨菊とは過去24勝22敗とほぼ互角の対戦成績。相手の手の内を知り尽くしているからこそ、勝負を焦らなかった。「(琴奨菊とは)体重差(23キロ)があるから一気に前へ出られると怖い。止められれば、そこからっていうのはあった」。イメージ通りの白星に、普段無口な横綱が言葉を弾ませた。
白鵬、稀勢の里の2横綱が休場し、この日から1人横綱となった。「それは気にしない。自分の相撲に集中するだけ。まだ(場所は)半分もいっていない。これからもしっかり一番一番」。復活を告げる2016年九州場所以来4度目の優勝へ、地道に一歩一歩近づいていく。