水谷隼「何回やっても勝てない」 張本に完敗…実力の差認める
日本卓球界が“張本時代”へと動き出した-。男子シングルス決勝で、中学2年の張本智和(エリートアカデミー)が、史上最多9度の優勝を誇る水谷隼(28)=木下グループ=を4-2で撃破し初優勝。14歳208日でのシングルス制覇は、男女を通じて史上最年少記録となった。女子決勝は、リオデジャネイロ五輪団体戦銅メダルの伊藤美誠(17)=スターツ=が、前回女王の平野美宇(17)=エリートアカデミー=を4-1で破り初制覇。ダブルスの女子、混合に続いて、女子では史上3人目となる3冠を達成した。
これが時代の変わり目となってしまうのか。10回目の全日本制覇を狙った水谷が、14歳の張本になすすべなく敗れ去った。「1ゲーム目を取れなくて流れがいってしまった。想像以上に相手の思い切りがよくて、僕が縮こまってしまった」と肩を落とした。
ラリー戦ではほとんど守勢に回り、攻撃の糸口すらつかめなかった。水谷は「(バックハンドが)一番の脅威だった。何度も中国人の選手と試合をしているが、張本は彼らと同じレベル。きょうが特別調子がいいのでないなら、何回やっても勝てない」。あまりにも素直に力の差を認めた。
「昨年の全日本のときより数倍強い。日本人選手は誰がやっても間違いなく勝てない。張本が出てくる前にたくさん優勝しておいてよかった。それくらい強い」。長年守ってきた牙城を一気に崩された衝撃は、自虐的なセリフにもつながった。
不本意な結果に終わった2017年を糧に、18年は「爆発」の年と位置付けていた。「これをバネに東京五輪まで頑張っていきたい」。何とか前向きな言葉を絞り出した。