炎鵬が最速タイで新十両 まげ姿に「恥ずかしい」と初々しさも
日本相撲協会は31日、都内・両国国技館で大相撲春場所(3月11日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、7人の十両昇進を決めた。新十両は東幕下6枚目で4勝3敗だった炎鵬(23)=宮城野、東幕下7枚目で5勝2敗だった貴公俊(20)=貴乃花=の2人。
昨年春場所で初土俵を踏んだ炎鵬は所要6場所での新十両で、前相撲からのデビューでは、高鉄山(大鳴戸)、土佐豊(時津風)、常幸龍(木瀬)と並んで最速タイ(1958年以降)。
都内の部屋で会見し「うれしい。まだ信じられない気持ち」と興奮。知らされたのが風呂から出た時だったそうで「『上がった』って、風呂から上がったことかなと。『アッ』と思って。信じられなかった」と笑わせた。
場所中はなかったちょんまげ姿に「恥ずかしい。まだ慣れない」と照れた。
1位のスピード出世には「まさかこんな早くとは思っていなかった」とビックリ。横綱白鵬(32)にスカウトされ、昨年、入門。横綱の“内弟子”としてトレーニングを常に共にしてきたことが、成果につながった。
師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)は「前に出る相撲をやっている。押す力が強い。体幹が強いんでしょう。智ノ花みたいに中に入って投げを打ってね。智ノ花くらい三役に上がって欲しい」と期待。本人も「頑張ります。上に行けるように。関脇になりたい」と、目を輝かせた。
身長167センチ、体重92キロの小兵。100キロ未満の新十両は01年初場所、99キロの小緑(阿武松)以来。92キロは1991年春場所、新十両昇進時の舞の海と同じ。小兵として兄弟子の石浦、宇良(木瀬)を意識。「個性を出しておもしろい相撲を取りたい。理想は石浦関と宇良関を混ぜた相撲。前に出ても中に入っても取れる」と力を込めた。