理事立候補届け出の貴乃花親方 HPに決意文「大相撲は誰のものか?」
貴乃花親方(元横綱)が1日、日本相撲協会の理事候補選挙に立候補を届け出た。親方は同日、貴乃花部屋のホームページを更新し、「熟慮した上での決断です」と立候補に至った理由と決意を明かした。
貴乃花親方は「本日、日本相撲協会理事に立候補いたしました。」と届け出を済ませたことを報告した上で、「1月4日に理事解任の裁定が下り、皆様にはご心配をおかけいたしましたが、これまでの期間、私なりに今後の相撲界がどうあるべきかを熟慮した上での決断です」と記した。
今の相撲界の現状を「過去の反省を顧みない度重なる暴力事件や不祥事により、国民の皆様の期待を大きく裏切り、社会的な信用を損なった」と真摯(しんし)に受け止め、危機的状況下で行われる理事改選の意味を「いままでにない特別な物」と位置付けた。
さらに、日本相撲協会が公益財団法人の認定を受けながら「社会的な責任を果たすよりも協会内の事情や理屈が優先され、公益性から逸脱しているのではないかという大きな疑念を抱いております」と厳しく指摘。「大相撲は誰のものか?その公益性の意味を我々は考え直し、正す時期に来ているのではないかと思います」と問いかけた。
自身の描く理事像を「公益法人としての社会的使命を全うしながら、透明性を持った健全な組織運営をしていくことが、私が思う理事の使命です」と主張。「その使命を果たすために、相撲協会全体の器量を大きくし、大相撲一門として自由に意見を交わせる風土を作り上げることを私の目標といたしたいと思います」と記した。
文面の最後にも「逃避をしない組織論と嘘偽りのない組織編成」が「将来あるべき相撲界の礎」と強調。「しなやかに柔らかく強靱で何事にも耐えうる自由闊達な協会運営の執行」を目指していくことを熱く誓い、理事立候補の決意とした。
貴乃花親方はこの日、午前11時から始まった立候補の受付で、理事では最後の11番目に届け出した。