不祥事続きの大相撲 新弟子に異例の訓示 スポーツ庁次長「人間として研さん積んで」
大相撲の新弟子が通う相撲教習所の卒業・入所式が1日、東京・両国国技館内で行われた。同式にはスポーツ庁の今里譲次長が出席し、暴力問題など不祥事が相次いでいる角界の将来を担う若手に対して「一人一人が力士の手本となるように、人間として研さんを積んで相撲界を支える力士になってほしい」と異例の訓示を行った。
今里次長は「今日はおめでたい席だが、厳しいお話をさせていただく」と断りを入れた上で、次々と明らかになる相撲界の不祥事に苦言。「相撲界は今大変な状況にある。元日馬富士の傷害事件にまつわる問題は大変ショッキングな事柄で注目を集めた。その後も暴力問題、法律や規則を守らない事案などいろいろな問題が起こった。こうした事が起こると、相撲界が長い時間をかけて培ってきた信頼が一気に損なわれてしまう」と諭した。
「相撲は日本の歴史と伝統の一翼を担う大切な文化でもあり、1人でもやってはいけないことをやってしまうと相撲界全体が厳しい批判にさらされる」と強い口調で訴え、「相撲人気が続くためには、暴力を根絶すること、当たり前の法律や規則を守る、悪い誘惑に負けないという日々の努力が不可欠」と自覚を促した。