錦織 復帰2戦目でV ツアー復帰直前、下部大会で貫禄
「男子テニス・ツアー下部大会」(3日、ダラス)
世界ランク27位の第シード、錦織圭(28)=日清食品=が、男子シングルス決勝で同158位のマッケンジー・マクドナルド(米国)を6-1、6-4で下し、昨夏に右手首の腱(けん)を痛めてからの復帰2戦目で優勝を果たした。下部大会では10年以来となり、賞金1万8千ドル(約200万円)を獲得。錦織は1月23日にツアー下部大会で戦列に戻って初戦で敗れたが、今大会で5試合を勝ち抜いた。次戦は12日からのニューヨーク・オープンで、ツアー大会に復帰する。
トップが競うツアー大会参戦に向け、自信と手応えを得た。錦織が下部大会ながらも復帰2戦目で早くも頂点に立ち、最高の形で“調整期間”を終了した。「今までの中で一番いい試合はできた。1試合ずつテニスが良くなっていた」と充実感をにじませた。
全豪オープンで第3シードのディミトロフ(ブルガリア)とフルセットの大接戦を演じたマクドナルドが相手。第1セットでサーブに苦しんだ序盤をキープ。第4ゲームで初めてブレークに成功し「あそこを取れたことで少しリラックスしてプレーできるようになった」と畳み掛けた。
中盤からはリターンがさえ、右手首を利かせたフォアハンドで優勢に立った。「自分が打っていかないと負ける相手。そこは意識した」とラリー戦でミスを何度も誘い、力の差を見せつけた。
12日からはニューヨーク・オープンでツアー大会に臨み、その後はよりレベルの高い大会が待ち受ける。完全復活にまだ時間を要するが、右手首が順調なのは明るい材料だ。「なるべく早く自分のテニスを取り戻すことが一番の課題」と前を向いた。