宇野 好相性の本番リンクで初滑り 3種類の4回転決めた「笑顔で終われたら」
平昌五輪は9日に開会式が行われ開幕する。8日はノルディックスキー、ジャンプ男子ノーマルヒル予選など一部の競技がスタート。7日はフィギュアスケート男子で金メダルの期待がかかる日本代表の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が本番会場の江陵アイスアリーナで初めて公式練習に参加した。6日夜に韓国入りしたばかりだが、練習では3種類の4回転ジャンプを決めるなど好調ぶりをアピール。初の五輪へ、自然体で臨む。
五輪マークで埋め尽くされたリンクを見ても、高揚感はなかった。初の夢舞台に臨む宇野は、本番会場で初滑りを見せるも「まだ五輪って実感がない」と苦笑い。銅メダルを獲得した昨年2月の四大陸選手権で自身初のSP100点台を出し、4回転ループも成功させた好相性のリンクで自然体を貫いている。
練習ではトーループ、ループ、フリップと、本番で跳ぶ予定の3種類の4回転ジャンプを入念に確認し、全てのジャンプを成功させるなど好調だ。氷の感覚についても違和感はないといい「練習はすごいよかった」と宇野。それでも「大体調子いいときは落ちていく。調子が落ちるのを受け入れて、上がっていくようにしたい」と冷静に試合にピークを合わせていく。
選手村での生活も「ユース五輪もアジア大会も同じような体験をしたので、あまり特別な感じはない」と問題なく適応している。9日には団体戦・男子ショートプログラム(SP)が迫っており「足を引っ張らないように思いっきりやって、少しでも貢献できるように頑張りたい」と懸命に気持ちを奮い立たせた。
環境は万全だ。練習中にはコーチの元へ駆け寄り、タブレット端末で自身の映像を即座に確認。ジャンプ動作などを視覚的に確かめた。日本スケート連盟と日本スポーツ振興センターとが合同で行う事業で、観客席から撮った映像を手元のタブレットで見られるシステムになっているという。今季8月からナショナルトレーニングセンターの中京大では導入されており、1月末の四大陸選手権で大会での利用を試していた。
「どの試合でも練習してきたことを出すのは難しいけど、悔いを残さず、笑顔で終われたら」と宇野。まずは出場が濃厚な団体戦で調子をつかみ、個人戦へと勢いをつなげる。