小平、金へ一直線 トライアルで断トツ“五輪レコード超え”
スピードスケートの記録会が7日、平昌五輪本番会場の江陵オーバルで行われ、金メダルの期待が懸かる女子エースの小平奈緒(31)=相沢病院=は、参考記録ながら500メートルで37秒05をマークし、低地リンクでのベストタイムをたたき出した。五輪2連覇中のライバル・李相花(韓国)が持つオリンピックレコードも上回ったが、「すごいタイムじゃない」と話し、さらなる伸びしろへ自信をのぞかせた。
女王は自分だと証明するかのように、軽やかにリンクを駆け抜けた。小平は本番会場で行われたトライアルで参考記録ながら低地での自己ベストを“更新”する37秒05をマーク。五輪2連覇中のライバル・李相花(韓国)は出場していないが、彼女の持つ五輪レコードも“更新”する好タイムで、13選手中、断トツトップだった。
それでも小平は驚くほどあっさりした表情で「すごいタイムではない」と言う。表示された「OR(オリンピックレコード)」の文字を見ても、数字を見ても、興奮はない。「まだ修正点はある。号砲が鳴れば全力だけど、振り返ると(レース中)冷静にいろいろ考えていた。練習で出しているラップから計算すると、自分の実力以上は出ていない。裏を返せば、今の疲れ具合で実力通りの滑りができた」。あくまで想定内の結果だ。
昨年末の代表選考会後は、陸上トレーニングに励んだ夏のレベルまで筋力を戻すよう追い込んだ。疲労が完全に抜けきっていない中のレースで、昨季同リンクで行われた世界距離別選手権の37秒13をも上回る好タイムは、かなり明るい材料だ。「キレが足りなかったので、しっかり休めればもっと(タイムは)出てくる」と、向上の余地はさらに残されているとした。
「勝たなくてはいけないとは思ってない。ベストタイムを出せれば」と小平。日本が誇る“絶対女王”はさらに、誰よりも速くなって五輪へと向かう。