競歩・鈴木雄介、不正申請は約30万円分 6カ月間資格停止処分
陸上男子20キロ競歩の世界記録保持者である鈴木雄介(30)=富士通=が日本陸上連盟の強化費で不適切な申請をしたとして、昨年10月から6カ月間の資格停止処分を受けていたことが9日、明らかになった。
鈴木は2016年度に、日本陸連から最大1000万円の強化費を受給できる「ゴールドアスリート」に指定されていた。17年春ごろに、16年10月から半年間の治療費と交通費を申請したが、日本陸連の審査で不適切ではないかと指摘された。
直後の17年4月、所属が本人にヒアリングを行ったところ、領収書の管理など実費処理がずさんで、実際にかかった費用よりも約30万円多かったため、申請全体を取り下げた。不正ではなかった分も含めて、当該期間の強化費の受給はしていない。
当時股関節を故障していた鈴木は、半年間で150回分の交通費と治療費をまとめて申請したが、鈴木自身が正確な通院回数を記録していなかったため、実際よりも8回分多かったという。交通費についても、千葉市内の選手寮から都内の治療院までを申請していたが、実際には都内の親族宅から通院していた。16年10月以前には不正な申請はなかったという。
鈴木は所属を通じ「このような処分を受けたことについて、日本陸連をはじめ関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。今後は競技者として、社会人としてあるべき姿をよく考え、行動していく所存です。本当に申し訳ございません」とコメントした。
鈴木は15年3月に世界記録を樹立したが、同年8月の世界選手権を股関節痛で途中棄権。その後2年以上レースに出場していないが、東京五輪を見据えて、すでにトレーニングを再開しているという。