柔道17歳・阿部詩がGSパリ初制覇、新ルールでオール一本勝ち
「柔道・グランドスラムパリ大会」(10日、フランス)
女子52キロ級で、世界王者の阿部一二三を兄に持つ、高校2年の阿部詩(うた、17)=兵庫・夙川学院高=が初優勝した。「合わせ技一本」が復活した新ルールで、反則勝ちを含むオール一本勝ちを果たし世界に衝撃を与えた。
16年リオ五輪女王のケルメンディ(コソボ)、17年世界女王の志々目愛(了徳寺学園職)は出場していなかったが、成長著しい天才少女が「みんなが驚くような魅力的な柔道で優勝したい」と出発前に宣言していた通り、真価を発揮した。
1回戦は開始9秒に背負い投げで一本勝ちすると、2回戦も開始10秒に繰り出した内股で一本勝ちを収めた。
準々決勝は、16年世界ジュニア女王のクラスニキ(コソボ)のパワーに苦戦したが、3分過ぎに袖釣り込み腰で技有りを奪うと、そのまま押さえ込んで合わせ技一本。
準決勝は、ロンドン五輪48キロ級銅メダルのファンスニック(ベルギー)から早々に大内刈りで技有りを奪取。後半にも大内刈りで技有りを奪って合わせ技一本となった。
決勝は14年世界ジュニア女王のブシャール(フランス)と対戦し、ゴールデンスコアの延長戦に突入したが、スタミナを消耗した相手に3つ目の指導が入り、反則勝ちとなった。
阿部はこれで国際大会4連勝。昨年12月のGS東京に続いて選考対象大会を制し、4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)を経て決まる世界選手権(9月、バクー)代表に大きく前進した。