レスリング協会、伊調への“パワハラ疑惑”全否定「客観的事実と異なる」
日本レスリング協会は1日、同協会の栄和人強化本部長(57)が、五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)に「パワハラ行為」を行ったと週刊誌に報道された問題に関してコメントを発表し、「伊調選手の練習環境を不当に妨げ、制限した事実はない」「田南部力コーチに対し、伊調選手への指導をしないように不当な圧力をかけた事実もない」と、一連の疑惑を全否定した。
週刊誌報道では、伊調は当時男子フリースタイル日本代表のコーチだった田南部氏に指導を受けていたが、栄氏をはじめとする協会側から練習を制限されたとされている。協会は「(田南部コーチに対し)委嘱の本旨である男子フリースタイルチームの育成・強化がおろそかになることのないよう同コーチに対し注意喚起をしたことはある」としたものの、「当協会から伊調選手に対する指導を禁止したことや、指導をやめさせるべく田南部コーチや周囲に不当な圧力をかけたことは一切ない」と否定した。
また、「伊調選手に対し、男子代表合宿への参加を禁止したこともない」とし、「警視庁レスリング部に対して、伊調選手を練習に参加させないことや、田南部コーチを指導から外すよう働きかけた事実もない」と説明した。
コメント文書の末尾には、「本来であれば、2020年東京五輪を控え、選手、コーチ及びその他関係者が一丸となって『金メダル』という一つの目標に向かってまい進しなければならないこの時期に客観的事実と異なる報道がなされたことを非常に残念に思う」と不快感を示し、「当協会としては、一刻も早くこの問題が収束し、2020年東京五輪での目標達成に向けて、選手が競技に集中できる環境を整えるべく、全力を尽くしたいと考えている」と締めくくった。