堀島V 平昌の金メダリスト破った 羽生らから刺激受け、失意の五輪から第1歩

 「フリースタイルスキー・W杯モーグル」(3日、たざわ湖スキー場)

 男子で平昌五輪銅メダルの原大智(20)=日大=は13位と振るわなかったが、同五輪で11位だった堀島行真(20)=中京大=が91・03点で優勝。同金メダルのミカエル・キングズベリー(カナダ)を破って今季、通算ともに2勝目を挙げた。キングズベリーは89・27点の2位。平昌五輪代表の遠藤尚(忍建設)は9位、西伸幸(マンマーノフーズ)は予選敗退した。女子は同五輪金メダルのペリーヌ・ラフォン(フランス)が83・03点で今季2勝目。同代表の村田愛里咲(行学学園教)は腰痛のため棄権した。

 メダル候補として臨んだ五輪を失意の結果で終えた堀島が、力強く新たな一歩を踏み出した。「相当気持ちが沈んだ」と言うが、それでも「次に向かっていくことだけを考えていた」と臨んだ五輪後最初のW杯で、“絶対王者”キングズベリーに1・76点差をつける快走を披露した。

 空中技(エア)が勝負を分けた。決勝は第1エアで勝負技の「ダブルフルツイスト(伸身後方1回宙返り2回ひねり)」よりも難度を落とした技を選択。これを高い完成度で決め、決勝2回目はエアの得点でキングズベリーに3・17点の大差をつけた。

 平昌から帰国後、他競技のテレビ中継を見続けた。自分が敗れた現実と向き合い、フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)ら表彰台に立つ日本勢を刺激に変えようとした。今大会は他の日本選手より3日早く会場に入り、上野コーチに五輪の悔しさなどを全て吐き出し気持ちを切り替えた。

 4日のデュアルモーグルで勝利を重ねられるか。「スピードが重要になる。ベストの状態で臨み、また勝ちにいきたい」。日本のエースの目に、輝きが戻った。

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