中村GC出場権獲得 初マラソンで“箱根”仕込みのど根性見せた
「びわ湖毎日マラソン」(4日、大津市皇子山陸上競技場発着)
20年東京五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ(GC)」出場権と、8月から9月にかけて行われるジャカルタ・アジア大会代表選考会を兼ねて行われ、初マラソンの中村匠吾(25)=富士通=が2時間10分51秒で日本人トップの7位となり、2時間11分以内の規定をクリアし、GC出場権を獲得した。全体9位で日本人2位の“元祖山の神”今井正人(トヨタ自動車九州)は2時間11分38秒でGC獲得はならず。ケニア出身のマチャリア・ディラング(愛知製鋼)が2時間7分53秒で初優勝した。
ど根性のラストスパートで、夢の大一番への切符をつかみ取った。気温が20度近く上がり、初マラソンの中村にとっては厳しい消耗戦。40キロ時点では、GC出場権を獲得できる2時間11分以内は苦しい状況だった。
「ここまできたら行くしかない」。残り2・195キロは優勝のディラング(6分32秒)に次ぐ6分46秒をマークし、ギリギリで切符を獲得。「次につながるいいレースができた」と、安どの表情を浮かべた。
箱根駅伝の名物となっている“ゲキ”が、最後の後押しとなった。卒業後も指導を受ける駒大の大八木弘明監督が、競技場に入ると同時にすごい勢いで走りだした。残り500メートルで「あと5秒速く走れ!」と、“大八木節”で激励された。「監督の声を受けて最後に頑張れた」と笑った。
1週間前に設楽悠太(ホンダ)によって16年ぶりに日本記録が更新され、沸き立つ日本マラソン界。自らのタイムや内容が物足りないのは百も承知だ。箱根駅伝1区区間賞の実績を持つスピードランナーは「まだ力不足。もっと力をつけていきたい」と今後を見据えた。