小平、27連勝のち棄権 五輪フィーバーの疲労色濃く…連覇を“断念”
「スピードスケート・世界スプリント選手権」(4日、長春)
女子で平昌五輪500メートル金メダル、1000メートル銀メダルの小平奈緒(31)=相沢病院=は最終の1000メートルを体調不良のため棄権した。2回目の500メートルで37秒72の1位となり500メートルでの無敗は昨季から27レースに伸び、第1日からの総合首位を維持していたが、2連覇への挑戦を断念した。大会は2日間で500メートルと1000メートルを2度ずつ滑って総合成績で争う。平昌五輪の1000メートル覇者ヨリン・テルモルス(オランダ)が初の総合優勝を果たし、郷亜里砂(イヨテツク)は総合9位だった。
日本勢初の総合2連覇への挑戦は道半ばで終わった。女子の小平は2回目の500メートルで1位となった後、残る1000メートルを棄権。取材には応じず、結城匡啓コーチを通じて「体が悲鳴を上げた」とのコメントを出して会場を後にした。
前日に風邪の症状を明かし、この日もレース前にせき込む場面があった。500メートルで、2位との0秒14差は今季最少。「特に後半の200メートルは体が浮いてしまっていた」(結城コーチ)と、普段の伸びを明らかに欠いた。苦渋の決断だったものの、本人に棄権を促したという。
平昌五輪で日本選手団主将を務め、大会後も行事への参加が相次ぎ、疲労をためていた。第1日の1000メートルから動きが鈍く、4位といまひとつ。「最後は気持ち。あと2本、乗り切るだけ」と、自らを奮い立たせて臨んだが、総合首位のまま退く悔しい結末となった。
17、18日のW杯最終戦(ミンスク)が今季最後のレースの予定だが、結城コーチは「慎重に考えたい」と語る。快進撃を続けてきた小平も「思った以上に疲れが残っていた。今は早く回復させ、次に向かって励みたい」と、休養の必要性をにじませた。