14歳の森秋彩が初優勝 スポーツクライミング・リードで野口啓代の3連覇阻む

 「スポーツクライミング・リード・日本選手権」(4日、加須市民体育館)

 2020年東京五輪の追加種目となったスポーツクライミングで登る高さを競う「リード」の日本選手権決勝が行われ、女子は森秋彩=あい=(14)=茨城県連盟=が初優勝した。3大会連続7度目の優勝を狙った野口啓代(28)=茨城県連盟=は2位。男子は是永敬一郎(22)=埼玉県連盟=が初優勝した。

 1年前の敗戦を胸に刻み続けた森が、女王・野口の3連覇を阻んだ。「去年の大会は3位でずっと悔しい思いをしてきた。だからすごくうれしい」。決勝で男女を通じてただ1人頂上まで登り切り、昨年の雪辱を果たした。

 身長154センチ、体重38キロ。普通の中学2年生と比べても小柄な森が、なぜ日本一になれたのか。日本代表の安井博志ヘッドコーチ(43)は「もともとロスのないグリップ(保持力)感覚に秀でており、最後まで力を温存できるタイプだった」と話すが、昨年の敗戦後はさらに持久力に磨きをかけた。

 高さ15メートルの壁を2時間かけ、腕が上がらなくなるまで何度も登り続けた。週3回の特訓によって、難しい課題でも最後まで登り切る体力が養われた。

 安井ヘッドコーチは「大会に向けた心の作り方、準備をしっかり整えて臨んでいた。成長の跡がうかがえた」とたたえる。それでもまだ心技体ともに発展途上。2年後の東京五輪に楽しみな新星が現れた。

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