ダニエル太郎、ジョコ撃破で大金星 己信じて「できる」
「テニス・BNPバリパ・オープン」(11日、米カリフォルニア)
男子シングルス2回戦で世界ランク109位のダニエル太郎(25)=エイブル=が、元世界1位で現13位の第10シード、ノバク・ジョコビッチ(30)=セルビア=を7-6、4-6、6-1で破り、3回戦に進出。女子シングルス3回戦で大坂なおみ(20)=日清食品=は予選勝ち上がりのサーシャ・ビッカリー(米国)を6-3、6-3で下し、ベスト16入りした。
ダニエルは予選を2試合勝ち、1回戦でツアー大会の今季初白星を手にした自信をジョコビッチにぶつけた。右肘故障明けで本調子に程遠い元世界1位にラリー戦で優位に立ち「(負けるかもという思いも)たまにあったが、できると信じる考えの方が強かった」。信念が疑念を上回り、つかんだ金星だった。
下がり目の位置からの粘り強いストロークに加え、浅い返球に対しては先に仕掛け流れを呼び込んだ。最終セットは相手の運動量が落ちたところでギアを上げ、1-1から5ゲーム連取。前に踏み込み、ストレートに打つ「ダウンザライン」を要所で決めた。
ツアーのシングルスで一昨年は10勝だったが、昨年は4勝。ツアー下部大会に回っても勝てない悪循環に陥り、自信を失いかけた時もあったが、父親や高田コーチの助言で前向きな気持ちを取り戻した。
「試合も厳しいトレーニングも全部楽しめないとつらい。毎日の事を楽しんでやれているのが大きい」。苦しい時期を乗り越え、競技人生の節目になる勝利を手にした。