成田緑夢、完璧な銅!準決勝転倒も攻め続け スノボで日本人選手初メダル

 「平昌パラリンピック・スノーボードクロス男子下肢障害」(12日、旌善アルペンセンター)

 今大会から単独競技となったスノーボードのスノーボードクロス男子下肢障害で成田緑夢(ぐりむ、24)=近畿医療専門学校=が3位決定戦を制し、銅メダルを獲得した。日本選手がスノーボードでメダルを獲得するのは初めて。今大会の日本勢のメダルは四つ目。成田は予選上位の16人が1対1で争う決勝トーナメントでは準決勝では転倒して決勝進出は逃したが、3位決定戦で前回ソチ大会金メダリストのエバン・ストロング=米国=を破った。

 攻める姿勢を貫いた。「完璧なメダルだった」。成田は銅メダルが決まると、よどみなく言った。「常に挑戦をやめない」という目標を達成し、充実感に浸った。

 3位決定戦に回ったが、持ち前の前向きさは失わなかった。スタートから、前回王者のストロングを圧倒。期待された金メダルは逃したものの「レースが終わるまで集中していた」と誇った。

 フリースタイルスキーのハーフパイプ(HP)で14年ソチ五輪出場を目指していた13年4月、トランポリンの練習中に左膝下がまひする障害を負った。4度の手術と約5カ月の入院生活。「20年間続けてきたゲームのデータがゼロになった」。当時の失意をそう表現する。

 けがから約1年後、趣味で出たウエークボードの大会で健常者を抑えて優勝した。すると会員制交流サイト(SNS)を通じて障害者から「勇気をもらった」とのメッセージが相次いだ。「多くの人に影響を与えたい」と新たな夢を掲げた。

 幼少から父の隆史さんの下、06年トリノ五輪スノーボードHPに出場した兄の成田童夢さん、姉の今井メロさんとともに力をつけてきた。だが、「朝食前にバク宙10回」などを課される日々にいつしか思考を停止。「ロボットだった」と振り返る。けがを機に自立し「今はとても楽しくやっている」。

 話題性があり、SNSを駆使する情報発信力も高い。「最終目標は夢や感動、希望、勇気を与えられるすてきなアスリートになること」。メダリストとなり、大きなステップを踏んだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス