「大相撲春場所・２日目」（１２日、エディオンアリーナ大阪）

　元横綱日馬富士の暴行事件で日本相撲協会の対応を問題視して内閣府に告発状を提出した貴乃花親方（４５）＝元横綱＝は２日目も会場に姿を見せなかった。大阪担当部長の鏡山親方（元関脇多賀竜）は「俺のところには（連絡は）きていない」と語った。役員待遇委員であり、本場所中は役員室に出勤する義務があるものの、２日連続で欠勤となった。

　貴乃花親方はこの日、京都府宇治市の朝稽古後は報道陣に対応。初日の取組を見た場所に関し「こちら（宿舎）で見ました」と、“無断欠勤”を認める発言。今後も宿舎で見るのかを問われると「そうですね。今のところは」と、出勤する意思がないことを示唆した。

　その後、部屋のホームページを更新し「（貴ノ岩の状態を）担当医師等と連絡を取りながら慎重に見極めていく必要がございます。（会場に）常時滞在することは極めて難しい」と記し、日本相撲協会にこの旨を説明したと主張した。協会の春日野広報部長（元関脇栃乃和歌）は打ち出し後、連絡の有無に関し「ノーコメント」とした。

　役員室に入れば八角理事長（元横綱北勝海）ら告発相手の協会執行部らと顔を合わせる。とはいえ、１５日間、欠勤となれば前代未聞。今後は事情聴取や出勤命令など何らかの対応が必要となるものの、「まだ（考えていない）」と協会幹部も困惑気味。土俵外の対立に、もはや収拾はつかなくなってきた。