遠藤2大関撃破!今度こそ三役昇進へ “4度目の正直”に手応え
「大相撲春場所・4日目」(14日、エディオンアリーナ大阪)
前頭筆頭の遠藤が大関豪栄道を突き落とし、3勝目を挙げた。2大関を撃破し、悲願の三役昇進へ一歩前進した。一人横綱の鶴竜は平幕荒鷲を押し出し、三役以上では唯一の4連勝。関脇逸ノ城は初黒星を喫した。全勝は鶴竜と平幕の松鳳山、魁聖、勢、碧山の5人。十両貴ノ岩は明瀬山に敗れて2勝2敗となった。
豪栄道の圧力を、一歩も下がらず受け止めた。立ち合い、低い姿勢でぶつかると、すぐさま突き落とし。遠藤は大関に何もさせず、わずか1秒3の瞬殺劇。初日の高安に続いて2大関を撃破し、序盤の横綱、大関戦を3勝1敗で乗り切った。
取組後のNHKのインタビューでは「結果が出ているんで、前向きにポジティブにやっていきます」「今日は今日で、また明日の相撲に集中して」と小さな声でポツリ、ポツリ。支度部屋に戻っても変わらない。「良かったんじゃないですか」「しっかり集中できてるんじゃないですか」。端正なマスクを緩めることなく、ボソボソとした口調で質問に応じた。
4度目の前頭筆頭で臨む今場所。これまでは三役の壁にはね返され、一度も勝ち越したことはない。ただ三役に昇進する地力は十分にある。大関との対戦はこれで通算11勝13敗。昨年7月に左足首を手術するなど、度重なるケガに苦しめられてきたが、ようやく本来の力を発揮できる状態になってきた。
師匠の追手風親方(元幕内大翔山)も「体が動いている。だいぶ足(の状態)がいいんじゃないか」と状態に太鼓判を押す。届きそうで届かなかった三役の座。「いつも通り生活するだけです」と遠藤。昇進への思いを押し殺し、冷静に白星を積み重ねていく。