貴乃花親方 2分40秒だけ来た 協会を挑発?“超速早退”もちろん出勤扱いにならず
「大相撲春場所・5日目」(15日、エディオンアリーナ大阪)
初日から欠勤の続いていた貴乃花親方(45)=元横綱=が5日目の15日、初めて場所に姿を現した。午後1時54分、役員室に入り、滞在わずか2分40秒ほどで退室。元横綱日馬富士に暴行を受けて負傷し3場所ぶりに復帰した弟子の貴ノ岩の取組を見ることなく、会場を後にした。欠勤理由を認めず出勤を命じた協会側を挑発するような行動。当然、“出勤扱い”にはならず、対立だけが深まった。
ケンカを売ってるとしか思えない貴乃花親方の振る舞いだった。度重なる出勤命令に応え、5日目にして初めて会場に姿を現した。午後1時50分、車で場所に到着。同1時54分、既に理事らがそろっている役員室に悠々と入った。
やっと出勤と思いきや、何と同1時57分には役員室を出てきた。わずか2分40秒の滞在。報道陣に「私から言うことはありません。まああいさつ」と語り、午後2時、迎えの車に乗り込み会場を離れた。
関係者によれば役員室でも居並ぶ理事らをあ然とさせた。八角理事長(54)=元横綱北勝海=に謝罪はなく、あいさつだけして即座に帰りかけた。「ちょっと、ちょっと」と理事長から止められ、「電話には出てくれ、FAXじゃなく」と注意を受けると頭を下げ、そのまま去って行ったという。
弟子の貴ノ岩の取組前に帰ったのも不可解と言わざるをえない。初日から欠勤した理由は元日馬富士から暴行を受けた頭部に不安があり、主治医と連絡を取るため役員室に常駐できないとし、12日にFAXで協会に連絡していた。弟子の状態を見極めるなら帰るのは会場で取組を見た後でも遅くはないはずだ。
13日に更新した部屋のホームページでは「役員室に閉じこもっていては、職務を全うできない」などと正当性を訴えた。協会側は親方の主張する理由での欠勤を認めず、役員室に出勤するよう2度にわたり、FAXで通告した。
“これで文句ないだろ”とでも言わんばかりの役員室訪問。しかし、こんな“超速早退”は当然、論外。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「注意はしました。明日以降は出勤して下さい」と、出勤扱いにしなかった。他の親方衆にも示しが付かない。ある協会幹部は「職務だよ。非常におかしい。普通の親方ならクビになってもおかしくない」と語った。
元日馬富士の事件を巡る協会側の対応を問題視し、内閣府に告発状を提出するなど対決姿勢を強めている“貴の乱”。職務を放棄し、協会を挑発するような行動は自らを不利な立場に追い込むだけだ。