新田佳浩が「金」 監督の予言「新田は平昌で金を取る」が現実に
「平昌パラリンピック・スノーボードノルディックスキー距離男子10キロクラシカル立位」(16日、アルペンシアバイアスロンセンター)
ノルディックスキー距離男子10キロクラシカル立位で新田佳浩(37)=日立ソリューションズ=が金メダルを獲得した。10年バンクーバー大会でこの種目を含めた2冠を達成しており、自身3個目の金。今大会では14日のスプリント・クラシカルでの銀に続く、2個目のメダルとなった。今大会の日本勢の金メダルは、女子大回転座位の村岡桃佳(21)=早大、スノーボード男子バンクドスラローム下肢障害の成田緑夢(24)=近畿医療専門学校=に続く3個目で、メダル総数は9となった。
新田佳が、17歳で初出場した98年長野大会から20年目の大会で金メダルを手にした。競技を背負う“レジェンド”は「逃げてしまいそうになることもあった。この4年間よく頑張った」。重責を果たした達成感に浸った。
スタート直後に転倒したが、冷静にペースを守り、後半に逆転した。14日のスプリント・クラシカルで逃した頂点に立ち「いろんな思いが詰まった大会」と感慨深げだった。
「片腕がない中学生が健常者の全国大会に出てたぞ」。長野大会から代表強化に携わる荒井秀樹監督が、人づてに聞いたのは96年。貴重な経験者を誘うため、知人や大会で使われた宿舎に片っ端から電話し、探し出したのが15歳の新田佳だった。
10年バンクーバー大会で金メダリストになった。14年ソチ大会で引退もよぎったものの、若手が台頭していない状況に翻意した。荒井監督は大会前、こう予言していた。「新田は平昌で金を取る。そういうストーリーが待っているんだよ」。言葉が現実となった。