「カーリング・日本混合ダブルス選手権」（１８日、みちぎんドリームスタジアム）

　さっちゃん無双で圧巻Ｖ！準決勝、決勝が行われ、平昌五輪女子で日本カーリング史上初の銅メダルを獲得したＬＳ北見のスキップ藤沢五月（２６）と、同五輪男子代表ＳＣ軽井沢クのセカンド山口剛史（３３）の“フジヤマ”ペアが今大会８戦全勝で日本一に輝いた。準決勝でＬＳ北見のサード吉田知那美（２６）と、ＳＣ軽井沢クのサード清水徹郎（３０）の“てっちな”ペアとのカー娘夢対決に１０－７で快勝し、決勝でもチーム平田を９－２と圧倒。４月にスウェーデンで開催される世界選手権の代表に決まった。

　日本中を魅了したあの笑顔が、再び最高の輝きを放った。８戦全勝という圧倒的な力を見せつけての日本一。優勝が決まると藤沢は、決勝の相手チーム平田と健闘をたたえ合った後、山口とともにガッツポーズし、ガッチリと握手を交わした。

　まさに“藤沢五月無双”な一日だった。ハイライトとなったのは、藤沢のチームメート吉田知と、山口のチームメート清水の“てっちな”ペアとのカー娘メダリスト夢対決。一進一退の攻防の中、最後は藤沢が圧巻のトリプルテークアウト（相手の石を一気に３つはじき出す）で試合を決めた。「さすがに緊張した」と振り返った藤沢だったが、敗れた吉田知は「カーリングを楽しんでいるさっちゃん（藤沢）は強い。徹ちゃん（清水）と、ノリノリだね、無双だねって話してました」と、改めて自分のチームの天才スキップの力に舌を巻いた。

　決勝の第１エンドでは、藤沢が円の外側にあった自チームの石をはじいて中に押し込む繊細なショットを決めて、２点を獲得。試合の流れを決める一撃に、相棒の山口は「あの難しいショットを決めるのがメダリストの力。興奮しました」と、パートナーを絶賛した。

　五輪後に結成した即席ペアながら、抜群の連係を見せたフジヤマペア。快進撃の陰には、あの“言葉”の存在があった。山口は大会中に作り上げた「藤沢マニュアル」の一端を明かし「さっちゃんは小言が多い。そういう時は『そだねー』って返すのが一番いい。あれを考えた吉田知那美は天才だと思う」と“操縦法”を披露した。

　４月の世界選手権代表に決まり、ひとまずコンビ継続が決定。「自分たちのプレーを見て、カーリングを見たい、始めようという人が増えてくれれば」と、口をそろえた２人。ブームを一過性で終わらせないため、アイスのヒロイン、ヒーローたちの戦いはまだまだ続く。