エース高木美帆、日本選手初の総合優勝 激戦続きも「後味すっきり終われた」

 「スピードスケート・W杯」(18日、ミンスク)

 女子1500メートルで高木美帆(23)=日体大助手=が1位となり、この距離の今季種目別総合優勝と、全種目での獲得得点による総合優勝を決めた。日本選手初。1500メートルは今季5勝目。種目別では女子500メートルの小平奈緒(31)=相沢病院=が昨季まで2度、頂点に立った例などがあるが、6季前に導入された全種目合計のランキングでは昨季の高木美の2位が日本勢最高だった。欠場した小平は女子500メートルの種目別4位となった。

 心身ともに疲れを隠せない中で迎えたシーズン最後の日。ウオーミングアップを終えた高木美は「これならいける。不安はない」と好感触を取り戻した。伸びやかに、最後まで脚を止めることなく女子1500メートルを滑り切った。主戦場とする種目で、W杯は出場5レース無敗。「この種目の滑りを確立させていくことができたのはうれしい」としみじみと語った。

 世界一、選手層の厚いオランダの実力者、レーンストラと最終組で同走。相手の調子も読めず「伸びていく感じを大切に」と自身の動きに集中した。ストレートは得意とする羽ばたくような滑りを見せ、最初の300メートルで0秒20のリード。その後も「絶妙な力の配分で滑りたいと思っていた」と培ってきた巧みなペース配分で差を詰めさせない。終わってみれば0秒87の大差。荒れた呼吸を整えながら、両手を上げて歓声に応えた。

 五輪後も移動や世界選手権などで心身の消耗を回復する時間は短く、17日の1000メートルは表彰台を逃すなど、本来の状態ではなかった。それでもこの本命種目は「滑り方が体に染みついている」とまで言える自信を持つ。成長と奮闘の結果として、全種目を通じた今シーズンの女王にも輝いた日本のエース。タイトルをまた加え、「後味すっきり終われた」と激戦続きのシーズンを笑顔で締めくくった。

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