「体操・種目別Ｗ杯」（２１日、ドーハ）

　開幕して予選前半が行われ、１７年１０月の世界選手権で左足首を故障して以来の復帰戦となった五輪男子個人総合の２大会連続金メダリスト、内村航平（２９）＝リンガーハット＝はつり輪で１４・３６６点の１０位、落下が出たあん馬で１３・２３３点の１９位に終わり、上位８人による決勝に進めなかった。男子は床運動で佐藤巧（徳洲会）がトップの１４・８６６点をマークし、床運動とあん馬で７位の加藤凌平、つり輪で７位の神本雄也（以上コナミスポーツ）とともに決勝に進出した。

　内村はつり輪、落下が出たあん馬で決勝進出を逃した。「つり輪は武器ではないが、あん馬は予選通過したかった。まだまだ３０点くらい」。もっとも、つり輪では着地を決め「狙って止めにいった。足首の痛みも全くなかった」と、不安要素を一つはねのけたことで表情は明るかった。

　４月の全日本選手権前に試合に臨むことは珍しいが、昨年１０月の世界選手権予選の跳馬で負傷し、途中棄権したこともあり「不完全燃焼で終わったので、いち早く試合がしたかった」と出場を決めたという。

　リハビリ期間中は毎日２時間の筋力トレーニングで下半身を鍛えた。１月にオーストラリアに約１０日間の合宿に行って着地の練習を再開。「また世界のトップで戦える」準備を整えた。今大会、残す跳馬と鉄棒の予選に臨む。