大坂なおみ ごっつい快進撃!“憧れの選手”元・世界1位セリーナも撃破
「女子テニス・マイアミ・オープン」(21日、マイアミ)
女子シングルス1回戦で、18日までのBNPパリバ・オープンでツアー初優勝を果たした世界ランク22位の20歳、大坂なおみ(日清食品)は、元世界1位で昨年9月に女児を出産したツアー復帰2戦目となった491位の36歳、セリーナ・ウィリアムズ(米国)と初対戦し、6-3、6-2で退けた。今大会は四大大会に次ぐ規模で、ツアーで年間4大会のみの「プレミアマンダトリー」の格付け。大坂は2回戦で世界4位の第4シード、エリナ・スビトリナ(ウクライナ)と顔を合わせる。
ツアー優勝者の肩書を手に入れた大坂は、憧れの存在との初対決にも自分を見失わなかった。強打自慢の2人による16歳差の新旧対決。元世界1位に5ゲームしか与えない1時間17分の完勝に「普通とは違う緊張があったが、3ゲームで自分を取り戻した。自分に集中した」と胸を張った。
3歳でテニスを始めたころからの憧れの選手がS・ウィリアムズだった。第1セットの第7ゲーム。深いリターンから崩し、ブレークに成功した。5-3の第9ゲームでは0-40から追いつき、ブレークしてこのセットを奪うと、第2セットも隙を見せずに快勝した。
半年前に出産したばかりの相手はツアー復帰2戦目で、体を絞りきれていない状態でも随所に強打で対抗。大坂は「わあ、これがセリーナのショットね」と驚いたが、2セットを通じて一度もブレークを許さなかった。
最後はフォアをミスした相手から手を差し出され「グッドジョブ」と言葉をかけられた。「対戦が分かって、夢がかなった気持ち。“カモン”と言わせることができて本当にうれしい」と、元世界ランク1位の本気を引き出せたことを喜んだ。
今大会はBNPパリバ・オープンと同じく四大大会に次ぐ大舞台。センターコートのメインイベントで行われた一戦でも20歳の勢いは止まらない。大会会場のフロリダを地元とする2人の戦いは、S・ウィリアムズへの声援が多かったものの、「カモン、ナオミ」と日本のホープへの掛け声も響いた。
男子並みのサーブに両ハンドの強打で「自分の存在を印象付けたかった」と話す大坂ほど、S・ウィリアムズに似たタイプはいない。世代交代の針を進めるような快勝で、2大会連続優勝に好発進。「後継者」の本命としてマイアミに強烈な印象を残した。