キングオブスキー戴冠の渡部暁斗が帰国 2度骨折乗り越え「実力で獲れてうれしい」

 ノルディックスキー複合で日本人として荻原健司以来23季ぶり2人目のW杯総合優勝を飾った渡部暁斗(29)=北野建設=が27日、成田空港に帰国した。今季は8勝を挙げて、荻原氏の持つ6勝の1シーズンの日本人最多勝利記録も更新。王者の称号のクリスタルトロフィーを手に「実際すごく重いし、物質的な重さもある。でも僕はこれが世界一の証明だと思ってやってきた。実際に自分の実力で獲れてうれしい」と、感慨に浸った。

 平昌五輪ではノーマルヒルの銀メダルだけに終わったが、五輪直前に左ろっ骨骨折のアクシデントに見舞われながら、中身の濃いシーズンを完走。「今季2回(昨年11月にもろっ骨を骨折)も骨折するとは想像してなかった。その対処に精神的にも体力的にも疲労した」と話しつつ「その中で結果が出続けて、総合優勝できた。ある意味、これまでで一番充実したシーズンだった」と、胸を張った。

 W杯総合優勝者は“キング・オブ・スキー”の称号を手にする。ただ、渡部は「僕はこれが世界一だと思ってやってきて、それは間違ってなかったと思う。ただ、クリスタルパールトロフィーも五輪のメダルも物でしかない。実際に僕がどういう姿勢で競技に取り組んでいるか。その内容を皆さんがどう評価するかが決めること。(キング・オブ・スキーを)自分で言うことはない。皆さんからチャンピオンだと思ってもらえるようなレースをもっともっと見ていただけるように、自分の実力を上げていきたい」と、キッパリと言った。

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