栄強化本部長辞任 伊調へのパワハラ認定受け「不徳の致すところ」
日本レスリング協会は6日、都内で緊急理事会を開催し、レスリング女子で五輪4連覇を達成した伊調馨(33)=ALSOK=が同協会の栄和人強化本部長(57)からパワーハラスメントを受けていたという告発状が内閣府に提出された問題で、調査を委託していた第三者委員会からの報告で4点のパワハラ行為が認定されたことを受けて、福田会長ら幹部が謝罪した。
「伊調選手、関係コーチ、その他の関係者の皆さまに、この場を借りて深くお詫び申し上げます」と、頭を下げた。
また同日付で栄強化本部長から、谷岡副会長を通じて辞表が提出され、理事会はこれを受理した。栄本部長は「自分の不徳の致すところ」と話しているという。
認定されたパワハラは、女子合宿中に栄コーチが伊調に対して「お前、よく俺の前でレスリングができるな」と言ったことなど4点。一方で告発状に記載されていたロンドン五輪後の男子合宿への参加禁止、リオ五輪後の警視庁への出入り禁止、現在までにおける練習場所確保への妨害は認定されていない。
同協会は問題発覚直後はパワハラを否定する声明を発表。その後、倫理委員会が弁護士3人による第三者機関を設置し、伊調や告発状を出した関係者、栄強化本部長らの聞き取り調査を委託。今月4日までに調査を終え、同5日に協会に報告した。告発状では、栄強化本部長は伊調が希望する男子代表合宿への参加を認めず、指導を受ける男子の田南部力コーチに不当な圧力をかけたことを指摘していた。この問題については協会とは別に内閣府も調査を行っている。