橋本みそぎV “不祥事”で処分受け丸刈り「勝って恩返ししかない」
「柔道・全日本選抜体重別選手権」(7日、福岡国際センター)
世界選手権(9月、バクー)代表最終選考会を兼ねて男女計7階級が行われ、男子73キロ級は、昨年の世界選手権金メダルの橋本壮市(26)が海老沼匡(28)とのパーク24勢同士による決勝を優勢勝ちし、2年連続3度目の優勝で代表を確実にした。リオデジャネイロ五輪同級金メダルの大野将平(旭化成)は準決勝で海老沼に一本負け。女子78キロ超級は17歳の素根輝(福岡・南筑高)が2連覇した。
“不祥事”からの再起を図る橋本が激戦区を制した。初出場した世界選手権で優勝。26歳の遅咲きは、2月に国立スポーツ科学センターの宿泊施設に無断で知人を招き入れたことが発覚。規約違反を理由に強化指定ランク降格などの処分を受けた。
「大変ご迷惑をおかけした。僕は柔道しかできないので、勝って恩返しするしかない」
処分後すぐにバリカンを購入し、6ミリに刈り込んだ。高校以来の丸刈りは「反省、気合、反省(の意味)です」。少し髪は伸びたが、悲壮な覚悟で臨んだ。大野との世界王者対決は実現しなかったが、決勝は尊敬する海老沼から腰車で技ありを奪った。「研究される中で連覇できた。また、東京五輪に向けて一からやっていく。行動もしっかり考えて、子供たちの見本になる生活、柔道をしていきたい」と誓った。
日本男子の井上監督は「世界王者という重圧や問題の中で戦わないといけない状況で意地を見せた」と成長を認め「もう一度皆さんに応援される選手になってほしい」と、人間としての研さんにも期待を込めた。