稀勢の里「心と体を訓練して」春巡業合流で十分な手応え 左腕は復調の気配
先場所を左大胸筋損傷で全休し、6場所連続休場中の大相撲の横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が12日、埼玉県草加市で行われた春巡業に合流した。十両佐田の海(境川)を指名し、いきなり10番取って8勝2敗。「気持ち良かった。しっかり体を作っていく」と十分な手応えを得た。
気合全開だった。幕内の稽古が始まる前という異例の早さで横綱が土俵に上がった。左を差して盤石の寄り。豪快な押しも見せた。佐田の海が「左は固い。差されたら何もできない」と舌を巻き、復活のカギを握る左腕に力は戻っている様子。
一方で棒立ちのまま寄り切られ「あー」と悔しがる場面もあった。「番数を重ねたい」と相撲勘を取り戻すのはこれからだ。
次の出場場所に進退をかける決意は明言している。「いい状態、万全な状態にするのが一番。初日まで時間はある。今やるべきことをやる。15日間、しっかり戦えるように心と体を訓練していきたい」。夏場所(5月13日初日、両国国技館)まで残り1カ月、背水覚悟で再起へ臨む。