競歩に新星誕生!野田明宏 2回目の挑戦でタフネス見せつけ初V
「陸上・日本選手権・50キロ競歩」(15日、日本陸連公認コース)
今夏のジャカルタ・アジア大会代表選考会を兼ねて行われ、男子は2回目の50キロ挑戦となる野田明宏(22)=自衛隊=が3時間45分56秒で初優勝を果たした。2015年世界選手権銅メダリストの谷井孝行(35)=同=は3時間52分33秒で2位。日本記録保持者の山崎勇喜(34)=同=は4位だった。
途中棄権で記憶すら失った初挑戦とは全く違う光景、未来が目の前に広がる。右腕を突き出し、力強く優勝のゴールテープを切った野田は「50キロの後半をしっかり我慢できた」と、3時間45分に及ぶ長旅の末に手に入れた勝利の余韻に浸った。
谷井に序盤は先行を許すも「自分のペースでじっくり追い掛けようと思っていた」と冷静に歩き、27~8キロで逆転。冷たい雨や風が吹き付ける悪条件も「気にならなかった」とタフさを見せつけた。
50キロに初挑戦した16年は「甘く見ていた。35キロすぎで低体温と脱水症状になり、倒れたことも覚えていなかった」とはね返された。だが「東京五輪は50キロ」と移行を決断。長距離の練習をこなしてきた成果を発揮した。
日本陸連の今村文男競歩部長は残る選考会の結果次第と前置きし「インドネシアの気象を考えればアジア大会でメダルは取れる。有力候補の一人」と躍進を評価。昨夏のユニバーシアードに続き日の丸を背負う可能性は十分にある。お家芸にまた新星が誕生した。