川内優輝が劇的大逆転で31年ぶり日本人V 極寒も「私にとっては最高のコンディション」
「陸上・ボストンマラソン」(16日、マサチューセッツ州)
伝統のレースがスタートし、初出場の“最強市民ランナー”川内優輝(31)=埼玉県庁=が、日本人としては1987年大会の瀬古利彦以来31年ぶりとなる優勝を飾った。
度肝を抜いた。強く冷たい雨が降る悪コンディションの中、スタートから猛烈なスタートダッシュで飛び出し、後続を大きく引き離す“大逃げ”を敢行。テレビ解説も思わず「クレイジー」と話す果敢な走りで序盤の主導権を握った。
その後、一度は集団に吸収されたが、その後、2番手集団で粘りの走りを見せると、35キロ過ぎから1人飛び出していた世界王者のキルイ(ケニア)を猛追。1分30秒あった差を残り2キロで逆転し、そのまま先頭でゴールテープを切った。テレビ解説が「アメイジング!」「アンビリーバブル」を繰り返す圧巻の走り。快挙を成し遂げた公務員ランナーは、両手を掲げ「うぉー!っしゃ」と、声にならない声を上げた。
インタビューでは「前だけを向いて走った。それが勝利につながった」と涙ながらに語り、極寒のコンディションにインタビュアーから「最悪のコンディションだった?」と問われたが「私にとっては最高のコンディションでした」と、笑った。
すでに国際大会の日本代表から撤退している川内だが、世界最高峰レースを制し、今後も目が離せそうにない。