兵庫県宝塚市で６日に開かれた大相撲の春巡業で、土俵上でのあいさつを日本相撲協会に断られた同市の中川智子市長（７０）が１９日、東京・両国国技館を訪れ、日本相撲協会に首長あいさつは男女平等に扱うこと、土俵上の女人禁制に関して議論することなどを求め、要望書を提出した。

　要望書を受け取った芝田山親方（元横綱大乃国）が意義ある意見を交換し合ったことを明かした。

　「要望書は丁重にお預かりしました。テーブルに上げさせていただき、しかるべき会議で議論させていただく。色んな意見があり否定することはしないけど、議論した上で結果がどうなるか分からない。要望に添えるかは分からない」と、理事会で議論し、検討する意向は伝えた。

　一方で親方を含め全協会員が「１５００年、２０００年と続く伝統を受け継ぐ」という立場であることを説明。市長から巡業はイベントであり、セレモニーは男女平等にするべきと要望されたが、巡業の土俵にも神様がいることを訴えた。

　「興行の前には御神酒（おみき）を差し上げてしっかり参拝する。力士が朝の稽古で参拝しないように。巡業先の宝塚でも市民の幸せを願う。力士が四股を踏むのは土地にはいい神様、悪い神様がおり邪気を払っている。土俵は命をかける場所。それは男女の差別をしているわけではない」。約４５分、宝塚から足を運んでくれた市長への対応に誠意を尽くした。