五輪金の報奨金1位はマラソン2000万円 瀬古リーダー「ニンジンあったほうが」
日本陸連の瀬古利彦強化戦略プロジェクトリーダー、体操女子の元日本代表・田中理恵さん、競泳男子で3大会連続メダルを獲得した松田丈志氏らが23日、テレビ朝日系「中居の号外スクープ 禁断!五輪メダリスト報奨金ランク発表SP」に出演した。
16年のリオ五輪以降、日本オリンピック委員会(JOC)がメダリストに支払う報奨金は金500万円、銀200万円、銅100万円。平昌五輪で2つの金メダルを獲得したスピードスケート女子の高木菜那が、JOCや所属企業などから報奨金として計6000万円を獲得したとして話題になったが、同番組では各競技団体が金メダリストに贈る報奨金のランキングを発表した。
1位「陸上・マラソン」の2000万円
2位「卓球(シングルス)」の1000万円
3位「スピードスケート、フィギュア、ショートトラック」の500万円
4位「卓球(団体)」の400万円
5位「自転車競技」の250万円
6位「体操、新体操」の50万円
7位「競泳、カーリング」の0円
マラソンは日本に駅伝文化が浸透していることや、競技の性質上ユニホームの支援スポンサーが集まりやすいことなどから、報奨金が破格。瀬古リーダーは「やっぱりニンジンがあったほうが頑張れる」と、うなずいた。
東京マラソンで日本新記録を出した設楽悠太に1億円のボーナスが支給されたことも話題となったが、瀬古リーダーは「(設定してから)1年半後に出ると思わなかった」と、正直な思いを吐露。指導者にも5000万円が支払われることを明かした上で、ニンジン作戦の効果について「マラソン界は俄然レベルが上がっている。女子の選手もみんな上がっている」と手応えを口にした。
競泳の松田氏は、五輪で銅メダルを獲得した際、水泳連盟からの報奨金はなかったが、スポンサー企業が設定していた報奨金300万円が「社員一同感動した」という理由で1000万円にアップ。この使い道について、松田氏は当時を振り返り「当時、現役やるかやらないか迷っていた。(遠征費などで)ちょっとずつ切り崩すのはやだなと思った。この1000万円は形に変えて次のチャレンジに進もうと」として、ベンツを購入したという。
松田氏はアスリートの事情として「遠征費にめちゃくちゃお金かかるんです」と吐露。「自分もコーチもトレーナーもいく。全部自腹なんです。旅費、宿泊費、食費、日当。正直、自転車操業」だったと明かした。報奨金はアスリートのモチベーションになることは断言しながら「ただ、(競技前に)1000万円だ、とか思ってるとダメですね」と笑った。
また、体操女子の田中理恵さんはメダル獲得の実績はないが、JOCが選考するシンボルアスリートという制度で、数百万円のビッグボーナスを受け取ったことを告白した。各競技の“顔”として選ばれた選手にある特権だが、選ばれる基準について「オリンピックで活躍したり、華のある選手だったり…」と説明。周囲から「(華のあると)自分で言うか!」と突っ込まれていた。