旭大星、20年ぶり道産子幕内力士誕生 新婚の芳恵夫人と喜び分かち合う「目標は8勝」
大相撲夏場所(5月13日初日、両国国技館)の新番付が30日、発表され、旭大星(28)=友綱=が新入幕を果たした。北海道からは92年初場所の立洸以来、戦後51人目、幕内力士は98年夏場所の北勝鬨以来。友綱部屋からは現師匠が昨年6月に継承してからは初めて。
都内の部屋で会見し、番付表を手に「十枚目より(番付の文字が)見やすくなった」とにんまり。20年ぶり道産子幕内力士の復活に「次の場所に勝ち越さないと。ずっと幕内でいられるように」と気を引き締めた。
旭川高大高時代は柔道部のエースで活躍。高3年時、師匠となる大島親方(元大関旭国)から勧誘され、08年に大島部屋に入門した。当時、部屋頭として北海道までスカウトに同行したのが現師匠の友綱親方(元関脇旭天鵬)という縁。現役時代には約5年も付け人を務めており、入幕で恩返しができた。
師匠として初めて昇進会見に同席した友綱親方も「うれしい。入門から知っている」と感激。旭日松、旭秀鵬と部屋内ライバル3人の中で一番、苦労した姿を見てきただけに「ここからさらに一気に上にいって欲しい。三役の力もある」とハッパをかけた。
入門10年。北海道出身の幕内がいないと言われ続けた。「自分がなる」との思いはずっと持って戦った。初場所は西十両筆頭で8勝7敗と勝ち越したが、番付運に恵まれず、東十両筆頭に据え置かれた。「日頃の行いが悪い」と、稽古場のゴミ拾いなどして、運気を呼び寄せた。
昨秋結婚した芳恵夫人と2人で部屋の前でガッツポーズして喜びを分かち合った。6月9日には挙式・披露宴が控えており、新入幕で花を添えた。夏場所で勝ち越して幕内残留して結婚式を迎えるのが目標。「目標は8勝」と力を込めた。