白鵬が張り差し!挑発!“らしさ全開”復帰星 やりたい放題「いい相撲が取れた」
「大相撲夏場所・初日」(13日、両国国技館)
両足親指の故障で2場所連続休場からの復活を目指す横綱白鵬(33)=宮城野=は平幕玉鷲を押し出した。横綱審議委員会(横審)から苦言を呈され、昨年12月以降は封印していた立ち合いの張り差し、途中で両手を広げる場面も。また、綱の模様で描いた五輪マークが入った浴衣を1000反製作し、目標の20年東京五輪での土俵入り実現への思いを表現した。大関とりの関脇栃ノ心(30)=春日野=は平幕松鳳山を寄り切り、自身初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜は新小結遠藤を引き落とした。
“らしさ”全開で帰ってきた。体を拭ききらず、汗が残った状態で立った白鵬。かち上げまでは見せなかったものの、張り差しを繰り出し、突きで反撃されると、相手から離れてボクシングのように両手を広げて挑発。しばしのにらみ合いから、タイミングよく前に出て玉鷲を突き出した。
横審の苦言も気にかけない、やりたい放題の相撲を「一番一番という意識。いい相撲が取れた」と振り返った。両手を広げる挑発は昨年名古屋場所4日目の貴景勝戦でも見せたが「『来い』という感じだったけど、(相手は)来なかった。行ったらヤバイと思って」と説明した。
変わらぬ姿を見せつけたが、場所前の4月に不幸に見舞われた。父・ムンフバトさんが76歳で死去。モンゴルでの葬儀に向かう飛行機の中で父の夢を見たが、帰りの飛行機では見なかったという。「母から『あなたと私はちゃんと(葬儀を)したから、(父は)そっとしてくれている』と言われてうれしかった」としみじみ話した。
この日は付け人とともに綱の模様で描いた五輪マークと「東京2020」の文字が入った浴衣を着用。自身がアイデアを出し、1000反製作したという。東京五輪での土俵入りを目標とし「常に目の前にあれば、自然に意識が向くと思って」と意図を語った。大横綱は“らしさ”を貫いて東京五輪まで駆け抜けるか。