ロシア出身・阿夢露が引退「1年リハビリして力戻らず」スポーツトレーナーに転身
「大相撲夏場所・2日目」(14日、両国国技館)
元幕内で東幕下39枚目の阿夢露(34)=阿武松=が14日、現役引退を表明し、東京・両国国技館で師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)とともに会見した。
引退理由は度重なるケガ。「膝の十字靱帯を痛めて左肩の筋断裂。1年リハビリして力が戻らなかった。そろそろ引退と思った」と語った。一番の思い出は幕下だった11年九州場所で勝ち越し、新十両を決めたことを挙げた。
ロシア出身。18歳時に露鵬・白露山兄弟と来日し、02年夏場所に初土俵。細身の体で苦労しながら57場所かかり、12年初場所で新十両に昇進した。しかし、その場所で右膝前十字靱帯断裂し手術。5場所全休し、序二段まで番付を落としたが、再起。14年春場所で十両復帰すると同年九州場所で新入幕を果たした。初土俵から所要74場所での新入幕は外国人力士では最スロー昇進となった。
最高位を東前頭5枚目まで上げたが、その後は故障に泣き、番付を降下。昨年春場所からは幕下生活が続いていた。
阿武松親方は「こつこつやる、辛抱する典型的な力士。部屋の力士のお手本。こういう外国人力士に出会ったのは幸せ」と称賛した。
今後は日本に残りスポーツトレーナーに転身する。「スポーツ選手をサポートするクリニックを開きたい。日本とロシアのために頑張りたい」と抱負を語った。