遠藤“大漁”誓う三役初星 故郷から化粧まわし贈られ発奮
「大相撲夏場所・2日目」(14日、両国国技館)
遠藤は豊山に土俵際まで追い込まれると、猛然と突き押しに応戦した。相手が前のめりになった瞬間に引き落とし、新三役初白星をもぎ取った。「勝ったのでうれしい」。自己最高位の新小結での初勝利にも「特にいつもと変わらない」と表情を変えなかった。
故郷の石川県穴水町にとっては、ヒーローの待ちに待った晴れ姿だ。能登半島の海沿いの町を象徴するのが、江戸時代ごろからボラ漁に使われてきた「ボラ待ちやぐら」。13年名古屋場所の新十両昇進を機に、地元後援会から贈られた化粧まわしにも描かれている。
近年は損傷が目立ち「大漁にちなんで、たくさんの白星を願って」と、遠藤の地元集落近くの海上に立つ高さ12メートルの1基を町が建て替え。昨年8月に完成後、願いに応えるように三役の座をつかんだ。
幼少期にカキのカゴ上げを手伝うなど、能登の男にとっては懐かしい風景だ。「小学生のとき、通学で見ていましたから。ちょっとでも地元は盛り上がったのかな」。故郷ならではのエールを力に、白星の大漁を呼び込んでいく。