日大、悪質反則証言に“食い違い” 選手「監督指示」も広報は全否定

 アメリカンフットボールの日大と関学大の定期戦で悪質な反則行為が行われた問題で、日大広報部は16日、内田正人監督の指示によるものであったことを否定した。また、危険なプレーをした日大の守備選手が「『(反則を)やるなら(試合に)出してやる』と監督から言われた」と周囲に話していたことが分かった。関係者が明かしたもので、学内で“食い違い”が発生。17日には日大の回答を受けた関学大が、兵庫県西宮市内で2度目の会見を開く。

 社会に衝撃を与えた他に類を見ない悪質プレー。加害者である日大サイドに食い違いが生じている。

 日大はチームぐるみでの“蛮行”をあらためて否定した。関学大から抗議を受け、15日に回答を提出したが、日大広報部によると「ラフプレーは認めて謝罪しているが、監督から指示はしていない」という内容になっている。

 学内で指導者や選手に調査した上で、監督が反則を指示したとされることに関し、デイリースポーツの取材に対して「それはあり得ない。(調査に対し)誰もそんなことは言っていない」と断言。問題のプレーは「試合の流れの中で残念ながら偶発的に起こってしまった」と、アクシデントであるとの見解を公式に示した。

 一方、関係者によると危険なプレーをした守備選手は、6日に都内で行われた定期戦前に「やるなら出す」と、反則行為を条件に出場の機会が与えられたという。同選手は下級生の頃から主力だったが、最近は内田監督から精神的な部分で苦言を呈され、「チーム内で干されている状態だった」という。

 当該選手は、パスを投げ終えて無防備な状態だった関学大QBに背後から激しくタックルをして負傷退場させた。広報は「監督は『必死で頑張ってこい。戦え。厳しくやれ』など厳しいことは言ったが、違反しろという指示は出していない」とし、「(当該選手が監督の話を)どのように受け止めたか、追加で調査する必要がある」とした。

 関東学連は当該選手に対外試合出場禁止、指導者に厳重注意という暫定的な処分を科しているが、規律委員会で調査をした上で最終処分を決める。理事会は次回6月13日に行われるが、調査の進展具合では臨時理事会が開かれる可能性もある。

 今回の問題はスポーツの範囲を超え、もはや社会問題化している。しかし、当の内田監督が問題の定期戦以降、公の場に姿を見せていない。広報は「(指揮を)自粛しているわけではなく、仕事などが忙しいので現場はコーチに任せているだけ」と説明するが、口をつぐんでいる限り疑念は膨らむばかりだ。事態を収束させるには指揮官が一日も早く真相を説明するしかない。

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