悪質タックル問題 関東大学1部 日大以外が悲痛な叫び「極めて強い危機感」
アメリカンフットボールの定期戦で、日大選手の悪質な反則行為によって関学大選手が負傷した問題で、関東大学1部リーグの監督会は共同声明を発表した。連名に、日大は含まれていない。
共同声明は同日午後2時、各チームのホームページにアップされた。「私たちは、アメリカンフットボールというスポーツを、心から愛しています」の一文から始まり「しかし今、そのフットボールが、かつてないほどの危機を迎えています。テレビでは毎日のように衝撃的な映像が繰り返し流され、フットボールを『危険なスポーツ』どころか『野蛮なスポーツ』と感じられている方が増えてきています。このような現状で、80年以上の歴史を持つ日本のフットボールが将来も存続し得るのか、私たちは極めて強い危機感を持っています」と、悲痛な思いがつづられた。
フェアプレー精神の重要性を再確認。その上で「対戦相手との健全なライバル心や、チームの枠を超えた友情も育まれ、人格そのものが磨かれていきます。多種多様な局面に遭遇するフットボールは、まさに人生の縮図であり、間違いなく人生を豊かにしてくれるものだと言えます」などと、学生スポーツの意義を記した。
そして、大学アメフト界の未来に向けて「私たちが心から愛するスポーツに対して、今後も真摯な姿勢で取り組んでいくことを、志を同じくする関東学生アメリカンフットボールの仲間とともに、あらためてここに宣言します」との誓いとともに締めくくった。
一連の問題は6日に行われた関学大と日大との定期戦で、関学大のクォーターバック(QB)の選手が相手守備選手から悪質なタックルを受けて負傷。日大・内田正人監督は19日になって関学大と当該選手、その保護者に謝罪し、辞任の意志も表明した。だが、指揮官が悪質タックルを指示した疑惑については説明を避けており、真相究明には至っていない状況だ。
問題勃発後に日大と対戦予定だった法大、東大、立教大が「安全性が担保されていない」ことを理由に、連名で関東学生連盟に試合中止を求めて決定。当該チームだけの問題ではなくなっていた。
1部は計16大学で構成されており、上位リーグの「TOP8」と下位リーグの「BIG8」で組み分けされている。日大は「TOP8」、「BIG8」には東大、桜美林大などが所属している。
関東大学1部リーグに所属する大学は以下の通り。
【TOP8】
日大
早大
法大
中大
立大
慶大
明大
日体大
【BIG8】
横浜国大
桜美林大
国士舘大
東大
東海大
駒大
専大
東京学芸大