日大当該選手陳述書【1】「やらなくてはいけないと追い詰められて悩みました」

 大学アメリカンフットボールで、関学大との定期戦で悪質な反則タックルを仕掛けた日大の当該選手・宮川泰介(20)が22日、都内の日本記者クラブで会見を開き、事実関係をつづった陳述書を約15分にわたって読み上げ、内田正人前監督やコーチ陣との生々しいやり取りを詳細に明かした。【その1】

 試合の日までに至った経緯について、試合の3日前の5月3日から話させていただきます。

 今年度の試合は本件までに4月22日、4月29日の2回行われています。そのいずれについても私はスターティングメンバーで出場しました。

 5月3日の実戦形式の練習でプレーが悪かったということでコーチから練習を外されました。それまで同じようなことはありませんでしたが、この頃は監督、コーチからやる気が足りない、闘志が足りないと指摘を受けるようになっていたので、このプレーをきっかけに外されたのだと思います。

 その後、全体のハドルの中で監督から「宮川なんかはやる気があるか分からないので試合に出さない。辞めていい」、井上コーチからは「お前が変わらない限り、練習にも試合にも出さない」と言われました。

 5月4日、練習前、監督から「日本代表に行っちゃだめだよ」と当時選抜されていた今年6月に中国で開催される第3回アメリカンフットボール大学世界選手権大会の日本代表を辞退するように言われました。監督に理由を確認することはとてもできず「分かりました」と答えました。

 この日は今年度初めて全体で行うディフェンスインディーの日でした。未経験の1年生がいたので、副キャプテンがタックルをする形で私がダミーを持ちました。グラウンド10周走らされました。その日の実戦練習は井上コーチに確認したところ、「宮川は出さない」と言われて外されました。

 5月5日、この日も実戦練習は外されました。練習後、井上コーチから「監督にどうしたら宮川を試合に出せるかと聞いたら、監督から1プレー目につぶせば出してやると言われた。QBをつぶしにいくので、僕を使ってくれと監督に言いに行け」と言われました。続けて井上コーチから「相手のQBと知り合いなのか?関学との定期戦がなくなったもいいだろう?相手のQBがケガをして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう」と。これは本当にやらなくてはいけないぞと念を押され、髪型を坊主にしてこいと指示されました。ポジションの先輩から井上コーチに「宮川に『ラインはどこでもいいから1プレー目からQBをつぶせ』と言っとけ」と言われた旨を告げられました。相手をつぶすくらいの強気気持ちでということではなく、本当にやらなくてはいけないと追い詰められて悩みました。

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