日大当該選手陳述書【2】散々「QBをつぶせ」と指示をされていた
大学アメリカンフットボールで、関学大との定期戦で悪質な反則タックルを仕掛けた日大の当該選手・宮川泰介(20)が22日、都内の日本記者クラブで会見を開き、事実関係をつづった陳述書を約15分にわたって読み上げ、内田正人前監督やコーチ陣との生々しいやり取りを詳細に明かした。【その2】
5月6日、いろいろ悩みましたが、これからの大学でのフットボールに於いてここでやらなくては後がないと思って試合会場に向かいました。試合のメンバー表に私の名前はありませんでした。その後の試合前のポジション練習時に井上コーチに確認したところ、「今行って来い」と言われたので、監督に直接「相手のQBをつぶしに行くので使ってください」と伝えました。監督からは「やらなきゃ意味ないよ」と言われました。
戻った私は、井上コーチに監督と話をしたこと、監督から「やらなきゃ意味ないよ」と言われたこと、さらに井上コーチに対して「リードをしないでQBに突っ込みますよ」と確認しました。井上コーチからは「思い切って行ってこい」と言われました。このことは同じポジションの人間は聞いていたと思います。その後、整列の時に井上コーチが近づいてきて、「行けませんでしたじゃ済まされないぞ、分かっているな」と念を押されました。
本件直後は何も考えられない状況でした。そのため、相手のQBがケガをして代わったことも気付いていませんでした。普段の試合でこんなことはありえません。
本件で問題になっている1プレー目の反則行為の後、2プレー目が終わり、コーチに呼ばれサイドラインに戻った時に井上コーチから「キャリアに行け」と言われましたが、散々「QBをつぶせ」と指示をされていたので井上コーチの発言の意味が理解できませんでした。再びパスをしてボールを持っていない状態の相手チームのQBにタックルをして倒し、2回目の反則をとられました。
3回目の反則は相手に引っ張られて尻もちをついた後、相手のオフェンスの方に行こうとした際に正面から向かってきた相手の選手を突いた行為に対して取られました。この反則は普段から相手がつかんできてもおとなしすぎるなどとコーチから指摘されていましたし、やる気がないとして外されていたので、向かってきた相手選手にやられっぱなしではいけないと思って、意識的に行った行為でした。
退場になりテントに戻った後、事の重大さに気付き泣いていたところを井上コーチに見られていました。試合後、スタメンと4年生が集められたハドルの時に、監督から「こいつのは自分がやらせた。こいつが成長してくれるならそれでいい。相手のことを考える必要はない」という話がありました。その後、着替えて全員が集まったハドルでも、監督から「周りに聞かれたら俺がやらせたと言え」という話がありました。
井上コーチから退場になった後、DLの上級生リーダーが私に相手QBに怪我をさせる役割をさせたことをすまなく思って、「自分にもやらせてほしい」と申し出たという話を紹介して、「その上級生はやらせてくれと言ったぞ。お前にそれが言えるのか」、「お前のそういうところが足りないと言っているんだ」と言われ、退場後に泣いていたことについても、「優しすぎるところがダメなんだ。相手に悪いと思ったんやろ」と責められました。