【日大選手会見1】「潰せ」の指示あっても「僕がやってしまったことは変わらない」
大学アメリカンフットボールで、関学大との定期戦で悪質な反則タックルを仕掛けた日大の当該選手・宮川泰介(20)が22日、都内の日本記者クラブで会見を開いた。冒頭で、負傷させた相手選手や関学大関係者への謝罪を述べ、約25秒頭を下げた上で、内田正人前監督ら日大アメフット部首脳陣からの指示を受け反則タックル行為に及んだと告白した。ただ、たとえ指示があったとしても「僕がやってしまったことは変わらない」との覚悟を示した。以下、一問一答の要旨【その1】。
-内田前監督やコーチに伝えたいことは。
「いくら監督・コーチからの指示があったとはいえ、僕がやってしまったことは変わらないと思ってとても反省しています。監督・コーチにたいして僕がどうこう言うことはないのかなと思います」
-どういう存在でしたか。
「日本代表に行くなと言われた時もそうですし、なぜですか、という意見を言えるような感じではなかったと思います」
-判断をどこで誤ったと思うか。
「この試合があった週、1週間を通してですけど、監督・コーチ陣からのプレッシャーがあったにしろ、プレーに及ぶ前に自分で正常な判断をすべきだったと思います」
-関学大のQB選手は謝罪を受け入れてくれたのか。
「謝罪をうなずく形で聞いていただきました」
-これまで、こういうケースはあったのか。先輩らはこういうことをさせられてきたのか。
「僕は把握していないです」
-試合直後に泣いていたというのは、直後から大変なことをしてしまったという思いはあったのか。
「はい、直後からありました」
-監督の指示がスポーツマンシップを上回ってしまった理由は。
「監督・コーチからの指示に自分で判断できなかった自分の弱さだと思っています」
-監督・コーチが怖い存在だったということか。
「はい」
-監督・コーチからの指示は潰せ、というものだったか。
「コーチから伝えられた言葉は『潰せ』という言葉だったと思うのですが、上級生の先輩を通じて、アラインはどこでもいいから潰してこいとか、秋の関西学院との試合の時に相手のQBがけがをしていたら、こっちの得だろうという言葉もあり、けがをさせるという意味で言っているんだと認識していました」
-秋の関西学院との試合の時に相手のQBがけがをしていたら、こっちの得だろうという言葉で、潰せの意味をけがをさせるという風に取られたのか。
「そうです」
-監督・コーチの意図との乖離というのはないと感じているか。
「自分としては、そういう意味で言われている以外にとらえられなかったのでやるしかないという状況でした」
-拒否していたらどうなっていたと思うか。
「この週、試合前までに練習に入れてもらえなかったというのもありますし、どうなっていたかははっきりとは分からないですけど、今後、ずっと練習に出られない、そういう状況になりたくなかったという気持ちでした」
-ご自身にとってアメリカンフットボールとはどういう存在か。
「私自身、高校のころからアメリカンフットボールを始めたんですけど、コンタクトスポーツを始めてやるということもあって、とても楽しいスポーツだと思い、熱中していました。ただ、大学に入って、厳しい環境といいますか、徐々に気持ちが変わっていってしまった部分もあり…」
-気持ちはどのように変わっていったのか。
「好きだったフットボールがあまり好きではなくなってしまった部分があります」
-どうしてか。
「厳しい環境に身を置くことになってしまったので。何が原因かは分からないですけど、徐々に気持ちは好きではなくなってしまったのかなと」