栃ノ心、26度目の正直!力でねじ伏せついについに白鵬撃破「最高です」
「大相撲夏場所・12日目」(24日、両国国技館)
大関とりの関脇栃ノ心が横綱白鵬を右四つがっぷりの力勝負で寄り切って初日から12連勝に伸ばした。初対戦から約10年、過去25戦全敗だった大敵を26戦目で初撃破。直前3場所合計36勝まで積み上げ、大関昇進にダメを押すとともに、2度目の優勝に前進した。白鵬は2敗に後退。横綱鶴竜が平幕勢を押し出してただ1人、1敗を守った。
栃ノ心が巨大な壁を豪腕でぶち破った。白鵬と右四つがっぷりで一歩も譲らぬ力比べ。自慢の左上手を引き付け、「出るしかない」と覚悟。鬼の形相で3度寄り、粘る横綱についに勝った。その瞬間、座布団が乱舞した。
「何年もかかった。ここで勝った相撲が一番うれしい。最高です。力しかないからね。本当にうれしい」
08年九州場所の初対戦以降25戦、一度も勝てなかった。「吹っ飛ばされたこともあった」と言う大敵に10年かかって“26度目の正直”。インタビュールームでは感極まったように見えたが、「泣いてないよ。まだ早い」と、笑みを浮かべた。
白鵬を2敗に後退させ初日からただ1人12連勝。大関昇進の目安となる直前の3場所合計33勝を大幅に上回る36勝目。昇進を預かる審判部の藤島副部長(元大関武双山)は「大関とりどころか横綱相撲。白鵬に右四つで勝つんだから」と太鼓判。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は「ちゃんとしゃべるかな。あいつの気持ちを伝えられたら」と早や伝達式の口上を心配した。
大関昇進を全勝優勝で決めたのは昭和以降では1936年夏場所の双葉山(11戦全勝)しかいない。82年ぶり偉業に“ジョージアの怪力”が挑む。