鶴竜、栃ノ心に並んだ 2場所連続優勝近づくも落ち着き「いつも通り。自分の相撲を」
「大相撲夏場所・13日目」(25日、両国国技館)
2場所連続優勝を目指す横綱鶴竜が関脇逸ノ城を寄り切って12勝目を挙げた。場所後の大関昇進を確実にしている関脇栃ノ心は平幕正代に引き落とされて初黒星を喫し、1敗で2人が並んだ。14日目に両者が激突する。横綱白鵬は勢を上手出し投げで下し2敗を守って、優勝の可能性を残した。
目の前で栃ノ心が敗れても鶴竜は平静だった。右を差し、左を巻き替えてもろ差し。懐に入り、225キロの巨漢逸ノ城に何もさせず寄り切った。「入ったら早めにいく。いつもと同じを心がけた」と不動の心に隙はない。
17年、4場所連続休場で引退危機に追い込まれたが、先場所で復活のV4を果たした。自身と向き合い苦しんだ日々が今、強い精神の源になっている。
トップに並び、14日目に栃ノ心と激突。「いつも通り。自分の相撲を取る」。勝てば自身初の2場所連続の優勝が近づくものの、落ち着き払った。
5月は鶴竜家ではお祝いラッシュだ。「この子のために」と再起へのパワーをもらった長男・アマルバイスガランくんが22日に1歳の誕生日を迎えた。
場所後の29日は長女・アニルランちゃんの3歳の誕生日。何とモンゴルの風習で女の子は3歳で丸刈りにする。大事な頭を強くする意味があり、親しい人が一人ずつはさみを入れる。「泣くだろうね」と娘を思いやる。娘のためにもパパが頑張る姿を見せたい。