鳥内監督、日大に怒り「解明する気あるんか」宮川選手の主張支持、全面サポートへ
アメリカンフットボールの定期戦で日大選手が悪質なタックルをした問題で、関学大は26日、兵庫県西宮市内で3度目の会見を開き、鳥内秀晃監督(59)、小野宏ディレクター(57)、負傷選手の父で大阪市議の奥野康俊氏(52)が出席した。24日に日大から受け取った再回答書に対して、「選手の安心、安全を担保することができない」として、51回続いた定期戦は当面、中止すると発表。これまでの回答や態度から、タックルをした日大の宮川泰介選手(20)の主張を支持し、サポートする姿勢を明らかにした。
裏表1枚だった回答書は、一週間の“再考期間”を経て5枚に増えたが、問題の曖昧さは何も変わらなかった。宮川選手へのヒアリングも依然行われていない中で作成された矛盾の散見される文書に、鳥内監督は「本当に解明する気はあるんかな」と厳しい表情だった。
もはや“お手上げ”。日大との文書のやりとりは終了し、今後は第三者委員会や規律委員会の調査を待つ方針に切り替える。51回続いた定期戦も「信頼関係を取り戻すまで」と中止を決定した。
しかし、決してさじを投げたわけではない。小野ディレクターは日大側の「つぶせ」「壊せ」などの発言には一定の理解を示しつつ「『QBをつぶせ、しかも1プレー目で』、という言い方をすれば、一般的にケガをさせろという意味を含む可能性が高い。その言葉の意味は大きい」と指摘した。
18日に行われた選手間の謝罪に同席しており、その際に宮川選手が自ら記したメモを読み上げた事実経過の説明は会見との一貫性、整合性は極めて高かったという。「宮川君が陳述書で述べたことが真実だと確信している」と小野ディレクター。鳥内監督も「宮川君が真実を語っていると思う」と全面支持を表明した。
関学大は今後の方針に、加害選手とその家族へ「可能な限り支援の可能性を模索する」という項目を示している。小野ディレクターは、大学と対立とも言える立場に立たされた当該選手を考慮しての判断と説明。「困る状況があるなら支援したいと模索している」と、“敵”だった加害選手側と手を取り合い、問題の根本解決に努める姿勢を強調した。
負傷選手の父・奥野氏も「一緒に頑張りましょうね」と呼びかけ。ガバナンスが崩壊しかけている日大へ、強い結束力で勝負に出る。