元大関照ノ富士、幕下転落濃厚も現役続行へ「やめるとは言っていない」
「大相撲夏場所・千秋楽」(27日、両国国技館)
十両照ノ富士(26)=伊勢ケ浜=が十両天風(26)=尾車=に寄り切りで敗れ、白星なしの9敗6休みで今場所を終えた。昭和以降の大関経験者では初の幕下転落が濃厚となったが、自身も師匠の伊勢ケ浜親方も現役続行の意向を示した。
土俵に上がると、館内に掛けられている自身の優勝額を見つめて「気合を入れた」という一番。今場所で初めてまわしを取るなど攻める相撲を見せたが、最後は体を入れ替えられて土俵を割った。
取組後は「最後の一番ぐらいはね…。気持ちいい」とサバサバした表情。最後の意味を問われると、「引退して欲しいみたいなこと言わないでよ」と笑い飛ばした。
引き揚げるときには多くのファンからサインを求められ、「やめないでください」と声をかけられると、「誰もやめるなんて言ってないよ」と応えて車に乗り込んだ。
師匠の伊勢ケ浜親方も現役引退させる考えは「全然ない」と否定。両膝の故障、糖尿病、腎臓結石など満身創痍(そうい)であることから、「まずはしっかり治して。ケガの状態を見ないと答えが出ない。だから最大限のことをやる」と、当面は治療に専念させる考えを示した。