松鳳山、珍ケースの殊勲賞 取組後36分待って決定 緊張で「吐きそうだった」
「大相撲夏場所・千秋楽」(27日、両国国技館)
前頭二枚目の松鳳山(二所ノ関)が、自身の取組を終えてから約36分後に決定するという珍しいケースで、初の殊勲賞受賞が決まった。
昼に行われた三賞選考委員会で2つの条件がつけられた。1つは自身が勝利して勝ち越しを決めること。もう一つは横綱鶴竜が優勝すること。殊勲賞が、原則、優勝者に土をつけた力士に与えられることを意識したもので、今場所、14勝1敗の鶴竜に唯一、勝ったのが4日目に対戦した松鳳山だった。
まず、宝富士を素早い出足から寄り倒し、勝ち越しを決めて1つ目の条件をクリア。その後は支度部屋で鶴竜の優勝を待った。何とも言えない時間を過ごした心境を「本当、吐きそうだったですね。自分の相撲より緊張しました。見ている方が」と苦笑いしながら振り返った。
幕内上位で勝ち越し、来場所は三役復帰の可能性もある。「よく集中して相撲が獲れたと思います。とりあえず番付発表を待って、しっかり稽古して頑張ろうと思います」と控えめに語った。また、大関昇進が確実な栃ノ心は同じ06年春場所初土俵の同期生にあたる。「来場所も対戦があると思うので、いい相撲がとれるように」と刺激を受けていた。